実務者研修とは?

実務者研修とは2012年にスタートした制度です。この研修を修了することで、旧ホームヘルパー1級に相当するスキルが認められます。2016年以降は、介護福祉士国家試験の受験資格に実務経験3年にプラスし、実務者研修修了が必須条件となりました。
介護業界に飛び込んですぐに実務者研修が受けられるわけではなく、介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級相当)の取得から始めなければいけません。

実務者研修で学べることと魅力

勉強道具

たん吸引技術の知識が学べる

別途研修を受けることで、医療行為の一つである「たん吸引」に携わることができます。訪問介護やデイサービスなど施設などで必要とされることが多い技術ですので、実践でも役立てることができます。この技術を学ぶことで、家族や医療従事者の負担軽減にもつながります。

経管栄養の知識が学べる

胃ろうや経鼻栄養補給など、在宅ケアで必要な経管栄養の手順や注意点などを学べます。食品や医薬品の栄養剤の違いの他、それぞれの方法によって異なる手順を覚えることで更に実践的な介護に携われるようになります。経管栄養の知識を得ることで、介護家族の負担軽減などにつながります。

サービス提供責任者になれる

介護サービス事業所において、配置することが必須である「サービス提供責任者」になることができます。実務者研修修了者は実務経験が不要ですので、ここで介護の仕事に携わりながら、介護福祉士の資格取得のための実務経験を積むことも可能です。責任ある仕事ですが、給与等の収入面において手当がつくことがあります。

訪問介護計画書の作成ができる

ケアマネージャーと連携を取りながら、ケアプランに基づいた訪問介護計画書を作成することができます。また計画書に沿った介護サービスが提供できるようコーディネイトを行います。定期的に訪問介護計画書の内容を医療従事者や介護家族などと共有するほか、ケアマネージャーを交えたサービス担当者会議を開きその正当性を模索することが求められます。

訪問介護員の育成や指導ができる

サービス提供責任者だけではなく、実務者研修を修了することによって、介護のスペシャリストとして認められます。実務経験を積んでいる場合は、リーダーとして指導をしながら訪問介護員を育てることができます。同僚のスキルアップを促すなど、ワンランク上のスキル保持者としての目線で接することができます。

知っておこう!実務者研修を受けた方がいいワケとは

勉強

実務者研修を受ける必要性

介護の人材不足が叫ばれる今、実務者研修を修了したスペシャリストが必要です。今では自宅介が中心となり訪問介護事業所の存在が多く求められるようになりました。サービス提供責任者は必ず配置しなければいけない資格で、実務経験無しでも責任者になれる実務者研修修了者のなり手が求められています。そして、約5年前の平成25年の4月から、実務経験3年以上ある方や、旧ホームヘルパー2級修了者がサービス提供責任者を目指す場合は、介護報酬から10%の減額となるため、実務者研修修了者がサービス提供責任者になることが求められています。そのため、事実上介護福祉士資格への道のりも近くなり、介護未経験者から地位向上も目指せます。